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- 2024/02/26
相続は何故もめてしまうのか?
今回のテーマは引き続き【相続】についてです。
相続は「何故もめてしまうのか?」
今回はその原因についてお話させていただきます。
相続でもめてしまう原因の一つに、相続財産が分けにくい財産に偏っているということがあります。
例えば、不動産の割合が多い場合、現金などより分けにくいため、残されたご家族同士の話し合いがまとまらないことが多いのです。
<相続財産の内訳>
- 現金・預貯金等 34.0%
- 土地 33.2%
- 有価証券 16.4%
- その他 11.3%
- 母家 5.1%
出典/国税庁「2021年分 相続税の申告実績の概要」
また、相続について生前に準備をされていない方が多いのも、相続でもめてしまう原因の一つと考えられます。
<遺言準備状況 (単一回答)>
- 遺言書は作成しておらず、今後も作成しない ・・・ 44.3%
- まだ遺言書は作成しておらず、しばらく作成するつもりはない ・・・ 35.7%
- まだ遺言書は作成していないが、近いうちに作成しようと思っている ・・・ 12.2%
- まだ遺言書は作成していないが、エンディングノートは作成した ・・・ 4.5%
- 既に自筆証書遺言書を作成している ・・・ 2.0%
- 既に公正証書遺言書を作成している ・・・ 1.5%
出典/日本財団「遺言・遺贈に関する意識・実態把握調査」
相続争いは他人事ではありません。
大切なご家族がもめることのないよう、元気なうちから準備をすることが大事です。
また、多くの方が相続税を負担する時代になりました。
相続税は遺産相続があったときに課税される税金ですが、課税されない限度額として基礎控除額があります。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
遺産総額が基礎控除額以下であれば相続税は課税されません。
そのため、亡くなった人がすべて相続税の対象になるわけではありません。
その年に亡くなられた方のうち相続税が課税された方の割合を課税割合といいます。
課税割合は、基礎控除額が大幅に引き下げられた2015年以降は8%台で推移していましたが、2021年は9.3%になりました。
つまり、相続税が発生する割合は約10人に1人ということになります。
地域別にみると、2021年の相続税の課税割合が最も高かったのは東京都で18.1%、つづいて愛知県14.9%、神奈川県14.1%となっています。
相続が発生すると、相続税の有無にかかわらず、やるべきことはたくさんあります。
たとえば、亡くなった方の財産調査、遺言の有無の確認、相続人の確認、遺産分割に関する相続人同士の話し合い、財産の名義変更、それにともなう諸手続などです。
相続は一生のうちに何度も経験するものではありません。そのため、多くの書類を取り寄せたり、慣れない手続きをするのはとても大変です。
元気なうちから財産のリストをつくるなど、できることをしておくことが、のこされたご家族の負担を減らすためには大切なのです。
備えに「早すぎる」ということはありません。
万が一のことが起こったときにあなたの想いがご家族に伝わるよう、しっかりと準備しましょう!!